family-doctor-shin’s blog

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医学生や医者ってモテモテなんじゃないの?っと思っている人のための記事No.12終わり

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甲状腺については実習中にもっと詳しく説明して、じゃぁ実際プライマリケア医はどこまでが自分たちの守備範囲でどこからが専門医の先生にお願いするか、あるいは併診するかなどの話をしました。

 

他は流行りのエビデンスの話低容量ピルの歴史の話光線過敏症の患者さんの話などを経由し、当初から話をする予定だった

ポートフォリオの書き方』

についてのレクチャーになりました。

 

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ポートフォリオって?

ポートフォリオって何?

自分の実力を示すための自己作品で、もともとは美術家が自分の作品をカバンに入れて持ち歩いて、仕事の依頼をもらうときに実際に見せることで自分の実力をアピールしていた音から、家庭医療研修を受けてどのような経験をして自分がどのように対処してきたかを示すものです。

 

そのポートフォリオを書かせる目的って?

  1. 優れた臨床家であるかを見たい
  2. 省察的臨床家であることの証明

の2つだと勝手に個人的に思っています。学会公認ではありませんので…。

 

2つ目の省察的臨床家(Reflective practitioner)というのは技術的熟達者(Teachnical expert)に対する概念です。

 

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熟達的技術者と省察的臨床家

技術的熟達者?

体系化された標準知識や原理を学び、これを現場の問題に「合理的に」「妥当性を持って」適用し、その経験を反復することで熟達していく人と定義され、簡単に言えば最初に学校などで総論にあたる教科書のようなもので全体像を勉強してからその技術を現場に使っていくとう①教科書などによる勉強②実践の繰り返しで育つ職人のような人

 

省察的臨床家とは具体的に3つの省察を行うことで成長していく臨床家のことを言います。

  1. Reflection in action:なんとかその場を切り抜けるために行う一連の振り返り
  2. Reflection on action:事後的な振り返り
  3. Reflection for action:自分自身の課題を認識して言語化するプロセス⇨ネクストステップを具体的に設定

 

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Zone of masteryとUnexpected or Surprise

Zone of masteryと呼ばれる自分が特に考えなくても対応できる部分とUnexpected or Surpriseと呼ばれるその時の自分にはすぐに対応できない部分があります。

Zone of masteryの部分実力が伸びる部分ではなくて、単に業務をこなしている部分です。

Unexpected or Surpriseの部分はそのときの自分の知識や経験を応用したり、インターネットやガイドライン、先輩医師に尋ねるなどしてなんとか対処している部分(1.のReflection in action)、事後に振り返ってその出来事がなんであったのか、どういう意味があったのかについて振り返り(2.のReflection on action)を行って知識や経験が正しかったのかや他の方法がなかったのかなどの確認を行います。ここまでで自分なりの課題を認識し、例えば自分の知識が足りなかったのか、思い違いをしていたのか、知識はあったが頻度を考慮に入れていなかったのかなどを自分自身で意識して課題を確認し、次のステップとして何をすれば良いのかを具体的に設定すること(3.のReflection for action)の3つです。

 

この3つの省察を繰り返すことでZone of mastery領域が増加し、成長することができるという考え方が省察的臨床家という考え方です。

 

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3つの省察を繰り返すと成長できる!

これってマインドマップとか記憶のピラミッドと呼ばれる暗記法や連想法と同じような考え方だと思うんですが、興味のある分野の方が記憶に定着しやすく、理解もしやすいんですよ。

 

私的に端的に言えば

少ない時間で最大効率を上げる勉強法がこれですよー!!

ということだと思っています。

 

あと、大学受験の勉強量<<<医学生の勉強量<<<<<<医者になってからの勉強量なのに、全ての教科書を読み尽くすこともできないでしょ??

先人たちの生き残り戦略の一つなんだと思うんですよ…。

 

ただ、これも誤解してもらいたくないのはそれだけで完璧なのではなくて、ときには総論的な部分からきちんと勉強しないとそもそも鑑別に上がらない病気は見過ごされてしまうわけで、それだけで良いですよという意味でもありません。総論的部分からの勉強が必要というネクストステップを立てられればそれも含めて省察的臨床家ではありますが…。

 

一人前になるまでは省察的臨床家という勉強スタイル(経験した症例から遡って広げていく勉強法)が重要で、その後は同じ病気や患者さんを見ていても見えている景色が違うので、そのままそのスタイルを継続しても良いと思いますし、他の勉強スタイルも融合したハイブリットを自分なりに考えても良いと思うんですよ…。正解はないので…。

 

ここまで読んでいただけた方ならうっすらとわかっていただけたかも知れませんが、経験した症例から話を広げていくこの実習って省察的臨床家の2番めまでを一緒にやっていた実習なんです。

つぎはぎだらけの知識って役に立たないじゃないか?という疑問をもつかも知れませんが、とりあえず経験した症例に対応できるようにしていけば

いつかはゴールにたどり着くよ!

という部分を経験してもらいたかったのです。

しかも記憶に残りやすいし理解しやすくないですか?

 

実は自分自身が一番こんな場当たり的な勉強って役に立たないんじゃないかと思っていましたが、医者になってみるとこの勉強スタイルでないと対応しきれないなと実感しています。

 

そして3日目の実習が終了しました。実際の実習は4日目はそれを踏まえてネクストステップはどうする?って話をする程度なので、しばらくは実習で扱かった具体的な症例についてのお話をしていきます。1グループめのお話はこれで終了です。

 

2グループ目の最終日に私の予想外だった別のレクチャーを行うことになって医者になってから忘れてしまった医学生時代の緊張感を思い出したり、こちらからも思うところがあった印象深い実習だったのですが、長くなってしまったのでそちらの話はまた別の機会にお話しします。

 

 

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