離島でお医者さんをするっていうことは?
Clubhouseで離島でお医者さんをしている先生に話を聞きました。
離島では
小児健診、内科健診、婦人科健診、妊婦健診、
透析、一般内科、
骨折などの固定やリハビリを含めた整形外科、
陥入爪や皮膚トラブルを含めた皮膚科、
外来抗がん剤治療…などなど
ありとあらゆる分野を3人の先生で行っていて、
2,200人の患者さんを支えていることをしりました。
これだけ広い診療幅をカバーするのだけでも大変で、
なかなか変わりの医者が見つかりにくいだけでなく、
なんと119番通報があると役場に繋がって
その後先生に連絡がきて
先生が救急車っぽい車に乗って出動するらしいです!
救急隊員はいません。
救急隊員って
屈強なゴリゴリマッチョな人が多い
(…と勝手に想像しています)ですが、
お医者さんの大半はも色白のやしっ子が多い
(…というのも勝手に思ってます)のに、
患者さんを搬送するときに
体を抱えたり、
自分でしなければいけないと知り、
そんなの無理じゃーんと
思ってしまいました。
でも、離島の医療が成り立っているってことは
無理じゃないんですねー!
検査も一部は金曜日に飛行機で運ばなければいけないとか
緊急時の搬送は飛行機代を家族が払って都内へ行くとか
まだまだ苦労しそうな問題がたーくさんあるようでした。
場所によっては船で往診もしたり、
緊急手術が必要な場合は自衛隊などに協力依頼するなど…
こんなに負荷がかかる仕事なのかー
ストレス溜まりそうだなー
と思いましたが、
楽しくてたまらないらしいですw
マラソン走っていて
快感みたいな感覚なんですかねー?
離島医療だと
医者の仕事だけでなく、
行政とのやりとりや
救急隊のような役割や
不便な状況でも
そんな環境を楽しめる先生が
活躍しているんですねー!
ためになる話を聴けました!
clubhouseってスピーカーになるのも恥ずかしいし、
人の話をただリスナーで聞いているのも退屈なので、
確かにそろそろ廃れてしまいそうです。
医者の世界の有名人が
clubhouseにゴロゴロ転がっていて
普段だと話しかけにくいのに話ができたり、
病院とかの内部事情も聴けて楽しいですが、
医学生や初期研修医のリクルートや
多職種連携のツールなど
実用性がないとそろそろ自分も
使わなくなりそうです。
今の自分からするとこの先生の話が聞けることって
こんなチャンスはあまりないのでもったいないなーと思っていても
医学生などには
中年のおっさんたちがキャッキャ、キャッキャ
はしゃいでるくらいに見えるんでしょーねーw
でも、自分が楽しいから今のところ良いです‼️
コレステロールって何が悪いの?no.4 具体的に誰を治療するの?
しばらく脂質異常症の話です。
…で、結局『具体的に誰を治療するの?』という話です!
まずそもそも…
脂質異常症に該当する人全員に生活習慣改善の指導をします!
生活習慣改善(Therapeutic Lifestyle Change)として以下は必ず行う
運動療法:中等度を150分/週、1日30分以上を目安に
摂るべき食事:野菜、果物、ナッツ類、全粒穀物、植物性タンパク、魚、繊維の多い食べ物
控えるべき食事:トランス脂肪酸(全カロリーの1%以下)、飽和脂肪酸(全カロリーの7%以下)赤身肉および加工肉、精製炭水化物、砂糖入り飲料
その次に、
今まで心筋梗塞や脳卒中になった人の再発予防(二次予防と言います)については
日本、アメリカ、イギリスの全てのガイドラインで
リスク評価も不要で
スタチンによる治療を行うように推奨されています。
治療目標値があるかどうかは前述の通りです。
日本人を対象とした心筋梗塞の二次予防RCT1)で2年間のスタチンの使用により心血管イベント発症率が11.4→5.9%へ有意に減少。ASCVD(冠動脈疾患、脳卒中、ASO)の既往があれば対象。
結局…
二次予防の場合はLDL-Cの値に関わらず、基本的に全員スタチン治療を行う!
が、
例外は癌末期など予防効果が期待できない場合や
本人が治療を望まない場合などがある。
1) Sakamoto, Tomohiro, et al. "Effects of early statin treatment on symptomatic heart failure and ischemic events after acute myocardial infarction in Japanese." The American journal of cardiology 97.8 (2006): 1165-1171.
一次予防について
まだ心筋梗塞などになっていない人の予防(一次予防と言います)はどうするかと言うと、これは日本のガイドラインに準拠すべきでしょう…
吹田スコアを用いる場合
①糖尿病
②CKD
③非心原性脳梗塞
④末梢動脈疾患
があればハイリスク
なければ吹田スコアで56点以上がハイリスク
吹田スコアは複雑なので日本動脈硬化学会(http://www.j-athero.org/general/ge_tool.html)のアプリ利用が簡単
年齢、性別、喫煙、血圧、HDL-C、LDL-C、耐糖能異常、早発性冠動脈疾患の家族歴からリスクを計算
リスク計算をしてハイリスク群が治療対象となる。
リスク因子を用いた簡易版
①糖尿病
②CKD
③非心原性脳梗塞
④末梢動脈疾患があればハイリスク
(1)喫煙(2)高血圧(3)低HDL(4)耐糖能異常(5)早発性冠動脈疾患家族歴のリスク因子の数を数えて表に当てはめてリスクを計算
この様に
①糖尿病
②CKD
③非心原性脳梗塞
④末梢動脈疾患
のいずれかがあれば脂質異常症は治療しましょう!という内容で、それ以外はリスクを計算しましょうとなっています。
管理目標値は参考値です。
達成できた方が良いですし、目標値よりもずっと低い値でも良い(前述NEJMなど)とされています。
LDL以外の管理目標値については
1)Liu, Jun, et al. "Effects of blood triglycerides on cardiovascular and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of 61 prospective studies." Lipids in health and disease 12.1 (2013): 159.
- non-HDL-C:
JAS2017だとLDL-Cと同等の冠動脈疾患の発症や死亡の予測能があるとしているが、脳卒中に関しては関連が結論できないとしている。LDL-C目標値を達成した後にnon-HDL-Cの目標値を達成することが望ましいとされ、LDL-Cの目標に30mg/dLを加えたもの- TG:
日本の疫学研究でTG150mg/dL以上で冠動脈疾患が増加する1)ことから目標値が150mg/dLとされている。TGを下げて心血管イベント低下したとの研究はなく、他国もTGは考慮なし。ただし、500mg/dL以上になると急性膵炎リスクが増えるという報告がある。- HDL-C:
低HDL-Cが冠動脈疾患のリスクになることが報告2)されているが、上げることで心血管イベントを下げるというエビデンスなし。JAS2017では40mg/dL以上が目標
2)Gordon, David J., and Basil M. Rifkind. "High-density lipoprotein—the clinical implications of recent studies." New England Journal of Medicine 321.19 (1989): 1311-1316.
と言うことで今回覚える部分は
二次予防であれば全員にスタチン投与が推奨
一次予防であれば
①糖尿病
②CKD
③非心原性脳梗塞
④末梢動脈疾患
の場合にはスタチン投与推奨。他は危なそうな人についてリスク計算をして治療するかを検討
この覚える部分だけで十分だと思いますが、細かい話として
・USPSTFだと一次予防のスタチン投与についてどんな推奨してる?
・スタチン系以外の薬のエビデンスは?
・スクリーニングは誰にする?
・検査は何?
・二次性脂質異常症の鑑別と検査は?
・治療はいつまで継続するの?
という部分まで専攻医に説明しています。
多分、そろそろ誰も読んでくれていないだろうと思いますので、この辺にしておきますww!
コレステロールって何が悪いの?no.3 ガイドラインの変遷 日本編
しばらく脂質異常症の続きです。
前回お話しした通り、日本のガイドラインは
『Treat to target』
と呼ばれる、目標値を定めてその目標値を達成する様に治療するのが良いよーと言っています。
治療ガイドラインとしてはJAS2017が最新(脂質異常症ガイドライン2018はほぼ準拠している)なので、その1つ前のJAS2012との比較を把握すると変遷がわかりやすいです。
JAS2012
- LDL-Cの測定は原則としてFriedewald式
- NIPPON DATA80を用いて冠動脈疾患死亡率の絶対リスクを計算
- 用いられていたパラメーターが年齢、性別、喫煙の有無、血圧、総コレステロールでLDL-Cは用いられていなかった。
- スタチンがない時代の研究
- ハイリスクが冠動脈疾患死亡率2%以上
JAS2017では
ちょっと横道にそれると
LDL-CについてFriedewald式とLDL-Cの直接測定の
どちらでも良いとなった理由については
昔はLDL-Cを直接測定する試薬が良いのがなかったらしいんですよねー。
そのため、過去のトライアルは
Friedewaldの計算式を使ってLDL-Cを算出していたのですが、
今は直接LDL-Cを測定できてしまう。
そのため、計算式のLDL-Cのエビデンスを
LDL-Cを直接測定させたものと
一致させて良いのかに疑問があるので、
JAS2017はどっちでも良いよーという記載になっているみたいです。
あと、保険診療では
T-cho、LDL、HDL、TGの4つを測定することはできない
(厳密にはT-cho、LDL、HDLの3つのうち2つまで)ので、
TGが高くなければ
今でもLDL-C=T-cho-HDL-TG/5のFriedewald式を使う施設が多いです。
難しいと思うけれど、まとめてみると…
・脂質異常症で意味がある値はLDLコレステロールのみ
(TG≧500mg/dLが急性膵炎リスクになることを診療ガイド2018は新たに言及しているが、TGを下げることのメリットはエビデンスなし)
・疾患などでリスクを分けて治療目標を設定
(でも、ガイドラインの中にエビデンスがないことは重々承知しているが日本人は目標数値があった方が頑張れるでしょ?的なことが書いてある)
・目標値はあくまで努力目標!
となります。
日本にいる限り、日本人を対象とした吹田研究をもとにした吹田スコアをきちんと活用すべきだと思いますが、
海外のガイドラインは全て無料なのが原則なのに対して、
日本のガイドラインは有料なものがほとんどです。
(循環器学会や透析学会などはとても質の良いガイドラインを
全て無料で提供している少数派の良い学会です)
また、海外のガイドラインの後追いになることも多く、改訂速度が遅いので、
海外ガイドラインを参考にして
日本のガイドラインで修正して診療
に使われることが良くあります。
患者さんに説明するときには
「こんなに悪玉コレステロールが下がりましたねー!」
と日本のガイドラインにしたがって説明して賞賛します!
そうすると患者さんから
「それじゃぁそろそろお薬を減らせます?」
と聞かれると、LDLコレステロールは下げれば下げるほどリスクが下がるので
「今のお薬を飲んでいる状態がちょうど良いと思いますよー!」
とそのまま飲み続けることをお勧めしています。
よく雑誌で
〇〇スタチンは飲むなとか
悪玉コレステロールは下げすぎると死んでしまう
などと書いてあり、切り抜いて持ってくる人もいるのですが、
医者という専門家の立場からみると
どこに根拠があって書いているのかなぁとか
なんでそんな良くわからない人が書いた内容を
信じてしまうんだろうと思います。
しかし、大昔にユリウス・カエサルが
『人は喜んで自己の望むものを信じるものだ』
と言っています。
基本的に私は
ガイドラインや過去のトライアルの中で信憑性の高いものを
ピックアップして紹介していますが、
かかりつけ医を信じるというのも一つの信念みたいなものなので、
患者さんが望んでいるものと一致する内容だと良いなーと思いながら
信じてもらえると良いなーと思って
健康に関する話を紹介しています。
次は具体的に誰を治療するの?という話です。
ちなみにですが…
ここまでの脂質異常症の話を専攻医にすると
ほぼ全員が飽きてしまう内容なので
一応説明はするのですが、覚える気がない先生が多いので
結局次の具体的に誰を治療するの?という話しか聞いてくれませんw
コレステロールって何が悪いの?no.2 ガイドラインの変遷 アメリカ編
しばらく脂質異常症の続きです。
脂質異常症の治療についての考え方が
海外と日本で異なる(様に見える)理由については
まずガイドラインの経緯を確認した方がわかりやすいので、
そこから説明します。
ガイドラインの経緯
米国について
ATP−Ⅲというガイドラインが
ACC/AHA Guidelines 2013を経て
ACC/AHA Guidelines 2018となって現在に至ります
米国はNational Cholesterol Education Program (NCEP)
によるガイドラインATP-Ⅲ(Adult Treatment Panel Ⅲ)を2002年に発表、
2004年にupdateし、2013年度まではメインとして使用されていました。その後ACC/AHA Guidelines2013
(American College of Cardiologyと
American Heart Associationが
National Heart, Lung, and Blood Institutesと
協働して2013年11月に発表、
ATP Ⅳの作業グループメンバー16名がそのまま作成に関与)
が作成されてACC/AHA Guidelines 2013が作成され、その後2018に改訂。
ガイドラインの大きな違いのポイントは
ATP-Ⅲまでは目標に合わせて薬物投与量を調整する
『Target to treat』と呼ばれる治療方針だった
のに対して(日本のガイドラインのJAS2017と脂質異常症診療外度2018も同じ方針を採用)
ACC/AHA2013以降は決まった量のスタチン系を使い続けることが重要で
LDL目標値がなくなった
『Fire and forget(治療自体を行えば調整不要)』と呼ばれる内容
に変更になったことが大きい変化です。
詳細が気になる人へ(気にならない人は読み飛ばした方がよいです)
・ATP-Ⅲまでの特徴は冠動脈疾患リスクを評価し、
リスク別にLDL目標を設定し、
目標に合わせて投与量を調整していましたが、
「プラセボ群vsスタチン投与群」や
「中用量vs高用量」など
決まった量のスタチンでの研究はありましたが、
目標値を決めてスタチン量を調整する内容のRCTがなく、
用量を調整することが良いのか悪いのかのエビデンスが
はっきりとしていない点や
ナイアシン、エゼチミブなどその他の脂質改善薬では、
LDLやnon-HDLは下がったが、
心血管イベントは減らさなかった点が問題となりました。
問題点としては
①リスクが高いからといって、強力にLDLを下げたらリスクが減らせるかどうかは別問題
②LDL目標達成者に投薬を減量or中止してもリスクは抑えられたままかどうかも別問題
の2つに対する批判が強かった点です。・ACC/AHA2013以降はそれまで
10 year risk(10年以内に心血管疾患を発症するリスク)の計算ツールとして、Framingham Risk Scoreを使用していましたが、
計算方法が変更になり、
治療対象者にはなるべく高強度のスタチンを使い、
LDLの確認も用量調整も不要となりました。
そして、ACC/AHA2018では治療目標値を設定しない方針は引き継がれましたが、
2013年ではスタチンのみが推奨されていた治療選択肢に
エゼチミブとPCSK9阻害薬が新たに追加されています。
治療目標値ではないですが、
スタチン選択の目安としてLDLが70mg/dL以上か未満かの記載があります。
LDLを下げすぎると死亡率が上がるのでは?
→ 死亡率が上がりません。LDLが下がる傾向なら癌などが隠れていないかを確認しましょう!LDLを下げれば下げるほど脳卒中などのリスクは下がりますよー
ー日本動脈硬化学会でも違いますよー(日本動脈硬化学会-公式サイト-のQ5)とか、Michos, Erin D., John W. McEvoy, and Roger S. Blumenthal. "Lipid management for the prevention of atherosclerotic cardiovascular disease." New England Journal of Medicine 381.16 (2019): 1557-1567.だとLDL<10mg/dLまで下げても副作用はないよーとされています。
LDLコレステロールは下げれば下げるほどリスクを低減するが、スタチン療法に耐えられるかどうかによります。
ここまでをまとめると…
『治療をするなら副作用がなければとにかくできるだけ強めのスタチン系の薬を使えばよくて、LDLの値なんて参考程度で別にみなくてもいいんだよー』
と言うのがアメリカの脂質異常症のガイドラインの考え方でした。
『Fire and forget(治療したら目標値のことは忘れちゃいな!)』
という方針です。
だって
目標値を達成させる様に治療しようがしまいが、
LDLは下げられるだけ下げた方がリスクが下がるんだからー
という考え方です。
次に日本のガイドラインで採用されている
『Treat to target』についての解説です…が長くなったので次回に!
コレステロールって何が悪いの?
しばらく脂質異常症の話です。
脂質とは血液に溶けている
コレステロールや中性脂肪などの脂肪分を言い、
これらが空腹時採血にて異常値を示す場合で
以下の3つの場合をいいます。
(1)LDLコレステロールが多すぎる場合(140mg/dL以上)
(2)HDLコレステロールが少なすぎる場合(40mg/dL未満)
(3)中性脂肪(トリグリセライド)が多すぎる場合(150mg/dL以上)
そして、
2007年7月に『高脂血症』⇨『脂質異常症』へ名称が変更し、
以下の名称全てを含めて統一(ただし、保険病名では注意が必要!)
することになりました。
(下の全ての名称を含めて脂質異常症と言います)
高コレステロール血症
高LDLコレステロール血症
低HDLコレステロール血症
高トリグリセライド(TG)血症
脂質異常症があると何が悪いの?
ー 心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳卒中、
抹消動脈疾患を引き起こすリスクがあるからです。
誰を治療した方が良いのか、
治療の目標や方針は?
ということに関しては
海外のガイドラインと日本のガイドラインで
少し考え方が違うので、
まずはガイドラインの変遷から概説します…が、長いので明日にしますw
財務諸表から見る医療経営分析についてno.4『5つの視点から財務諸表を分析する』
もうすでに…
あんまりみてもらえていないだろうと思ってますが…
途中で終わらせるのもよくないので続けてますw
5つの視点は
①総合力評価
②収益性評価
③安全性評価
④効率性評価
⑤成長性評価
です。
最初に
①総合力評価は貸借対照表から計算して求められる指標
です。
①の総合力評価で使われるのは
自己資本利益率と総資産利益率です。
自己資本利益率(ROE:Return on Equity)
:当期純利益÷純資産・株主が投資したお金を使ってどれだけ利益を生み出せたかを図る指標
・10〜20%だと優良企業
・トヨタ2020は9.77%
総資産利益率(ROA:Return on Asset)
:当期純利益÷総資産・調達した資金と株主のお金を足した総資産でどれだけの利益を生み出せたかを図る指標
・5%を超えると優良企業
・トヨタ2020は5.02%
このように
手元の資金(純資産、資本)から生み出せる利益の割合がROE
なのに対して
経済規模全体から生み出せる利益の割合を表したものがROA
です。
そして総合力を分解すると以下の通りに表現できます。
損益計算書から計算するのが②の収益性
貸借対照表から計算するのが③の安全性
両方から計算するのが④の効率性
①〜④を複数年の経過をみて変化率を確認するのが⑤の成長性評価
になります。
ワークショップ当日は
自分のクリニックの財務諸表を持ち出して
実際に分析してもらって
自分が開業する前だったら
聞いておきたい内容をピックアップして
お話ししました!
まぁ自分も必要に迫られて勉強したので
必要に迫られていなければ
不要な知識かもしれませんねw
追記)
忘れてました!これも動画が作ってあるんです!!
以下はさらにつまらない細かい話なのでスライドだけ共有して省略します
自分のクリニックは
高齢の公認会計士さんで、
実はほとんどお話ししたこともなくて、
毎月単に財務諸表が送られてくるだけです。
倒れたらどうやって後任を探したら良いのかとか
もっと税務に関して相談したいとか思っていますが、
何か良い案はあるんですかねー?
財務諸表から見る医療経営分析についてno.3『キャッシュフローについて』
ここはワークショップで取り扱わなかった部分です。
多分、僕たち素人にはあんまり重要ではない
(…と勝手に思ってますが)部分です。
前提として
会計には大きく現金主義と発生主義というのがあります。
現金主義はお金を受け取った段階を収益、商取引成立とする立場で
お金と商品を交換した時などがわかりやすい例です。
発生主義は売ります・買いますの意思表示が合致して
商取引が成立した段階で収益に計上する立場です。
前述の貸借対照表も損益計算書も発生主義により記載されています。
でも、実際に手元で現金化するまでには金額が変化することがあります。
例えば、医療機関で言えば保険収入(窓口で支払われない残りの金額)は
通常2ヶ月遅れで医療機関に振り込まれますが、
病名が記載されていないと
返戻や査定をされると満額支払われません。
キャッシュフロー計算書は手元の現金の動きを表すため、この現金主義と発生主義、貸借対照表とバランスシートの間の架け橋と呼ばれるみたいです。
キャッシュフロー計算書は
①業務活動によるキャッシュフロー
②投資活動によるキャッシュフロー
③財務活動によるキャッシュフロー
の3つにより現金の増減がどうなったのかを表します
業務活動によるキャッシュフローがプラスであることが
良いキャッシュフローの前提条件です!
その他はバランスにより判断が必要
例:③がプラスでも②がマイナスなら成長するための投資をしたといえる
例:①がマイナスで②がプラスで③がマイナスは一見借金が減っていそうだが、
業務がうまくいっていなくて(コロナの影響など)
借金をしたいができない
(③がマイナスは返済はしているが借入ができない状態)、
止むを得ず不動産を売却
(②がプラス)になった場合など
…やっぱり、よくわからないですよね…
そんなあなたに!キャッシュフローの動画があるんですねー⬇︎
こんな感じでキャッシュフローはよくわからなくても良い気がします!
次はいよいよ5つの視点から分析することについてのお話です!
最近youtubeをみて✨コメントをくれた人がいた✨のがうれしかったので、また休みの日に何かの動画を作ろうと思いました!!まだ、60人しかチャンネル登録ありませんがw
財務諸表から見る医療経営分析についてno.2『損益計算書について』
貸借対照表は経済規模などを表していて、
その企業の『体格』を表している感じです。
今日は『損益計算書』についての話ですが、
ボクシングでいえば
パンチ力がどのくらいなのかという
『利益を出す能力』を表しています。
損益計算書(P/L Profit and loss statement)とは
損益計算書(P/L)とは、
企業が1会計年度(通常1年)の活動のなかで
いくら売上(収益)が出て、
いくら費用がかかり、
いくら利益(損失)が出たのか
を記載したもので、
いわば企業経営の成績表です。
医業収益:単純な売上額で、かかった費用を差し引く前の金額
利益:売り上げからかかった費用を差し引いて、手元に残る金額
損益計算書は
途中でかかった費用をいくつかに分類して
どこに費用がかかっているのか
がわかります。
損益計算書の記載方法
日本の企業と言えば?…
トヨタしか浮かばなかったので、
トヨタを例にするとこんな感じでした。
売上高(クリニックだと医業収益)から
絶対にかかる原価を引いたものが
粗利益
粗利益から
人件費や広告費、その他の費用を差し引くと
営業利益
営業利益から
営業外損益を差し引いたものが
経常利益…
のようにだんだんとコストを差し引いた残りになります。
一般的な損益計算書
売上高:総売上の100%からスタート
粗利益:売上高➖売上原価(商品の材料代など)
営業利益:粗利益 − 一般管理費(人件費や広告費など)
経常利益:営業利益 − 営業外収益(本業以外の収益で、預金の利息など) − 特別損益
当期純利益:経常利益 − 税金など
医療法人の場合
医業収益(クリニックの保険診療と自費診療の総収益):100%からスタート
医業総利益(粗利益):医業収益−医業原価(医薬品や検査代、賃料など)
医業利益:医業総利益 − 一般管理費(人件費や広告費など)
経常利益:医業利益 − 医業外収益(本業以外の収益で、預金の利息など)
当期純利益:経常利益 − 税金など
厚生労働省平成28年病院経営管理指標に関する調査研究結果では
経常利益率は0.7〜4.1%、
人件費比率は51.1〜56.1%程度
(でも病院だけの統計ですよ!)。
そして!
やっぱり動画も作ってあるんですねーw!
文章読むのがだるいなぁと思ったら⬇︎
ワークショップでも
大体この辺りから1〜2割くらい脱落、
3〜4割くらいは睡眠へ、
残り5割はせっかく選択したから頑張ろう!
とかろうじて起きている感じでした…w
次はワークショップでは取り上げなかった
『キャッシュフロー』についての話です!
財務諸表から見る医療経営分析についてno.1『貸借対照表について』
ご無沙汰しております。
2月のワークショップの準備で燃え尽きてしまっていて、
ブログの更新をしてませんでした。
あんまり興味がある人は多くないと思いますが、
学会のワークショップで行った内容を
少しずつブログにあげてみようかと思います。
クリニックの経営って大変なんだぞー
という内容です。
開業や病院の部長レベル以上に出世したいと考えている先生は
知っていた方が良い内容になってます!
ここまでの話は⬇︎
財務諸表って?
医療法人は、会計年度終了後 2 ヶ月以内に
事業報告書、
財産目録、
貸借対照法、
その他省令で定められた書類
を作成することが義務付けられています。
病院は一般に
「病院会計準則」というル ール
に則って財務諸表を作成しています。
ここまでの話は⬇︎
財務諸表は、
キャッシュフロー計算書、
附属明細表
の4種を指します(医療法人の場合)。
このうちの附属明細表以外の3つを財務三表と呼び、
一般に企業の財政状況を把握するのに重要だと言われています。
・貸借対照表(Balance Sheet; B/S)
・損益計算書(Profit and Loss Statement; P/L)
・キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement; C/F)
の3つを財務三表といい、企業の財政状況の把握に重要な決算書のこと。
ここまでは⬇︎
さてここから
『貸借対照表』の話
です。
資産:企業が保有している現金や建物などの財産が記載される
負債:企業がしている借金や債務が記載されている
純資産:返済の必要のない資産(起業時の資本金や利益を積立てたお金)
資産も負債も現金化するのにかかる時間に応じて
固定と流動に分けられます。
これは、企業の経営には資金繰りが重要なので
借金を返す資金が手元にあるかどうかが
非常に重要だからです。
難しいなぁ…
昨日は『有名病院の部長クラス以上の先生に聞いてみよう!』というタイトルでclubhouseでルームを作って見たら、まさに有名病院の初期研修医採用責任者から連絡があって参加したいと申し出があって参加してもらいました✨
…が、リスナーは10人くらいで、自分が医学生だったら話してみたい病院の採用基準や試験内容とかも聞けたのに…と思いましたが、医学生はそんなに興味がないのかもしれません…
初期研修医の採用を担当しているプログラムディレクターに直接話を聞けていくつかわかったことがありましたが、Clubhouseの規約上、詳しい内容については記載しません
・過去に英語だけの試験を行なっていた有名病院が今は試験自体を廃止して面接重視になった経緯
・6次面接まで行なって多職種でそれぞれの点数の平均点の高い方からマッチングで採用するシステム
・見学を案内した先生のフィードバックを元に採用するかを検討するシステム
・いかに研修ドロップアウトを防いでいるかの各病院の対策
・緊急事態下でなければ見学受け入れをしていたこと
・一緒に働きたい医学生を採用したいと言っていたが、じゃぁ具体的にどんなことをしたら『一緒に働きたい』と思ってもらえるの?短時間の見学で…みたいな内容に対する回答
・初期研修中や専攻医研修中の妊娠出産による研修期間の延長の有無や過去の実績
・今後の病院見学の方向性
などの話題でした。
自分としては久しぶりに話ができた先生や全然話したことがないが、お名前だけ知っていた有名な先生とも話ができて楽しかったです!
参加してもらえたのは初期研修先としては九州・沖縄地域の先生2人(多分有名と言えば出てくるところです)、中部地方の先生1人(最近人気があるところです)、関東地方3人のプログラムディレクター(1つはいつもトップ10には入るところ、他も上位100に入ってくる)、専攻医先としては九州・沖縄地域の先生2人(うち2人重複)、中部地方の先生1人(1人重複)、関東4人(うち3人は重複)でした。あと、学会の超偉い先生も1人参加していただき、個人的には採用基準ってこんな感じなんだーと興味津々で聞かせてもらいました。
今回の反省として金曜日だと有名人のルームが多いのとやっぱり実生活で遊びたいよねーという気はするので、しばらくは知り合いの先生と細々と活動して見て人が集まりそうなら有名病院の先生たちをお呼びする感じですかねー。さらに先ほど知りましたが今日と明日が医師国家試験だったんですね!
clubhouse上でオンライン面接でもしてもらった方が医学生にも採用側としても楽な気はするんですけどねー。難しいですねー。
とまだclubhouse自体は始まったばかりなので、これにめげずにもうちょっと活動してみようかと思います。ルームを見かけたら気軽に手を上げて参加して見てください!そんなに怖くないと思うんですけどねー