family-doctor-shin’s blog

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医学生や医者って・・・〜2グループ目No.10 最終回コンプレックスに悩むあなたへ 恥ずかしい過去をもつドクターからあなたへ

いつも気を使って星をつけていただいたり、私が私の記事を読んでもらうために頑張って星をつけていてそのお返しに星をつけてもらうことがありましたが、今回のこの記事は本当に役に立った時だけ星をつけてくれると嬉しいです。

星がなくてもできるだけみなさんの記事は引き続き読ませていただきますので…。

 

『恥ずかしい過去』を持つドクター自分の過去を振り返ってコンプレックスにどう対応するかについての経験談です。 

 

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コンプレックス


 

最終回 最初の注意点

※最初の部分だけでもよく読んでください!!

  • コンプレックスに悩むあなたに読んでもらいたい内容です。
  • うまく行けばコンプレックスを消したり、軽減することができるかもしれません。
  • 医学生の実習の時に実際に使用したスライドを用いて途中で解説しているのですごくすごく長いです。
  • 本当に興味がなければ読むのがしんどいです。
  • 純粋さがないと読んでも共感できません
  • 多分、いつか私の個人情報満載なのとどんな内容も否定的に捉えてしまう人が出てしまうため、消してしまうかもしれません。
  • もし、この最後の内容があなたのどこかに共感できたなら、その内容を苦しんでいる人にそっとあなたの言葉であなたの経験をもとに伝えてもらえると嬉しいです。
  • ためになったらシェアしてくれても嬉しい(消すかもといいながら…)です!

医学生さんが熱心で純粋だったことに私自身が大きく心を動かされたため、この最終回の内容をうまく伝えられればなぁと思っていました。本などを出版することも考えて出版社に企画書を送ってみましたが、無名なドクターの話は売れないのでダメという返事だったため、ブログとかyoutubeとか使ってみて必要な人に届くと良いなと思って始めたものです。有名なドクターの知り合いも何人かいて協力してくれそうでしたが、そんな売れるから作った内容だと伝えたい内容が伝わらないかもしれないと思ったため、頑張って自分の知名度をあげてからこの内容を伝えることが最終目的でした。もっと知名度が上がってから記載する予定でしたが、無名のままでもいっか、見つけてくれて読んでくれる人に伝わればいっかと考えが変わりました。今までの実習記録を真剣に読んでくれた薬剤師の卵さんには届いたらよいなとは思います。

 

 

 

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キャリアねー

さて、実習ではストレスコーピングの話をした時に、

学生さん「有名病院で研修をしたいんです。その後の自分のキャリア形成を考えると、有名病院でできる先生になりたいんです。」

という発言がありました。

 

実は伏せていましたが、私自身は残念ながら無名なドクターではありますが、いわゆる有名病院で研修をしてきたドクターです。有名病院の見学を希望していてキャンセルになった学生さんがいましたが、その有名病院で働いていたため、こんな発言が飛び出してきました。

 

なんか、昔の自分を見ているようでした。

『キャリア形成』とか『有名病院』とかいう言葉を使ってしまうのは自分のどこかの価値がないとか劣っていると考えていて、それを補いたい、見返したい、すごいと思われたい、という感情が私自身はあったように思います。また、その自分がコンプレックスと思っている部分に触れられたりすると過度に攻撃的になってしまって、相手を圧倒したいという強い感情もありました。有名病院での研修を選択した最大の理由は相手を圧倒できるような実力を身に付けたいと思っていたように思います。

 

多分、今の自分の立場で考えてみると、自分に価値がないとか価値が低いと思っていたのは『自分自身』だったのだと思います。ある程度年をとって、モテたいとか賢いと思われたいとかそういう部分が薄れてきたこともありますし、自分を肯定できるようになってきたからでもあると思います。まぁ、いまだにモテたいですけどね。

 

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こんな感じでわざわざ『成功』してる感じを出してレクチャーを開始しています。

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  • 女性にモテたくてバンドのボーカルをしていた話
  • 早稲田大学理工学部志望だったが受からず、教育学部へ入学したこと(コンプレックスの始まり)
  • 男女一緒の寮だったので、毎日合コンのような飲み会があって大学よりも楽しくて大学にあまり行かなくなってしまったこと
  • お泊まり保育の手伝いで体操のお兄さんのバイトでバク転ができたので子供に大人気だった話
  • オンラインゲームのアイテムを売って生活をしていた話
  • 司法試験を受けていた
  • 医学部に入学した時に目立つために金髪モヒカン頭だった
  • 医学部1年生の時にテレビの素人レポーターの募集があり、オーディションを受けてレポーターをしていた話
  • 産婦人科志望だった産婦人科の先生にいびられて丸坊主にしてこいと言われて丸坊主にしたが全然研修で相手にしてもらえなかった話
  • 有名な病院で研修をした整形外科の先生がとても親切に指導をしてくれてその先生に家庭医を目指した方が良いと勧められた時の話
  • 有名な先生が多く所属している病院で研修をした
  • 開業をしてから研修医や専攻医が研修にきてくれるクリニックになっている

など『成功したファミリードクターしん』について解説しています。

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『成功したファミリードクターしん』だと思ったら、多分あなたのどこかにコンプレックスがあるはずです。

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華やかそうに見えるだけ!

この略歴のどこかをすごいと思ってもらえれば、過去の私の策略にハマってます。それは、なるべく変わったことをした方が目立ってモテるんじゃないかと思っていました。

 

そうやって 

『周囲の人間に認められたい』と思っていた

のだと思うんです。

いわゆる承認欲求ですよね。

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何らかのチャレンジが形になって成功したと言えれば全然問題はないのだと思います。でも、それが失敗したとか失敗したと思ってしまった状態だと、満たされていない部分を誰かに承認してもらうことで満たそうとしてしまう

 

 

モラトリアム人間(私のこと)だったのは誰かにすごい人だと思われたいので、あがいてあがいて何とか生きている状態だったのだと思います。

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コンプレックスはこの失敗したとか失敗したと思ってしまった状態から生まれてしまうもので、私の場合は早稲田大学理工学部に入学したかったのに教育学部だったということに当時はものすごく劣等感を感じていました。その話をすると「早稲田だからいいじゃん」とか、「贅沢な悩みだ」という内容の助言をもらいましたが、本人が失敗したと思っている時(コンプレックスを抱えている時)に人に話して「早稲田だからいいじゃん」と人から言われること(承認されること)で自分を慰めている状態でした。

 

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マズローの欲求5段階説

承認欲求については有名なマズローの欲求5段階説があり、下位の欲求が満たされないと上位の欲求は満たされないと言われているため、生理的な欲求であるよく食べ、よく寝て、よく休む、安全欲求として生活の安定化、社会的欲求として愛情や所属の欲求、その上に人から尊敬されたい、認められたいという承認欲求が続いていきます。

ちょっと蛇足ですが、医者は普段エビデンスはどうなんだとうるさい職業のはずなのに、なぜか心理学的な内容偉い先生がおっしゃっていると特に疑わずにその通りと納得されることが多いです。専門家の意見はエビデンスレベル最下位のはずですが…

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人に優しくするには自分が満たされていないと無理だと思っています。少なくても自分はそうです。自分が幸せでないのに人の幸せを願えるほど善人ではありません

 

承認欲求から逃れることは難しい…と言うか無理でしょうね!

そうやって言える人はすでに誰かに承認してもらっている状態(有名人や成功して満たされている人)なので、コンプレックスを抱えていると思っている人(私ももちろんそうでしたし、今でもまだまだ言えないコップレックスはたーくさんありますよ!!!)にとっては承認欲求から解放されることが非常に困難だと言うのはわかります。

もちろん、私も今でも油断をすればいつでも誰か承認してくださいと思ってしまいます。

 

それでも、他人からの承認ではなく、自分で自分を承認してあげるように、そうやって自分を肯定して自分の持っている価値を見つけるために考え方を変えるように努力しています。

 

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普段スライドは字数を極力減らして作成するのですが、どうしても伝えたい内容については長文になってしまいます。

女性の荷物を持ってあげることは『男性なら当たり前』というのは本当でしょうか?それも一つの価値観ではあります。でも、『良い人と思われたくて』荷物を持ってあげていることはないですか?『良い人に思われたい』という承認欲求があるのではないですか?

 

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自分は荷物なんか持ちたくありません。『荷物を持つ親切な人』と思われたかっただけだと思います。自分は経営者なので、『荷物を持つ』という仕事を医者という時給が高い人が持つのか他の人が持つのかという判断をしなければいけない立場で、『医者という特権的立場だから荷物を持たない』のではなく、『役割分担として持つべき人ではない』と判断しました。当初の従業員には『冷たい』とか『偉そうにしている』と言われることもありましたが、今いる従業員にはこの内容を説明して『荷物は持ちません』と言っています(…が、荷物が多い時に手伝うのは当然だとも思っています)。その分の時間で移動中にカルテを書くという『医者にしかできない仕事』をしたり体を休めるようにしています。おなじ『荷物を持たない医者』を見て、『荷物を持たない高飛車で特権意識がある医者』というようにネガティブに捉えるのではなくて、『お金がかかる医者に荷物を持たせずにもっと医者にしかできないことに集中してもらう』ポジティブに考えられるようにスタッフに教育をしていくようにしています。それが伝わる人に対して私自身もできることをできるだけしてあげたいと思えるようになりました。『良いお医者さん』と思われたいのではなくて、『クリニックを経営している公平な経営者』に自分はなりたいと思っていて、それが無理のない自分だということ自覚し、無理がないので体力的にはとっても辛い医者という職業を続けることができています。こんな感じで無理がない自分でいて、時には感情をコントロールできずに怒鳴ってしまったり、怒ってしまったりすることももちろんあるんですが、それでもうちで働いてくれているスタッフは本当に良い人が多くて『働いてくれていることをありがたい』と本当に思っています。

 

そんな感じでスタッフにもポジティブに考えるように努力してもらっているので、コロナが流行している現状でも『自分のクリニックに安心して来てもらいたい』と自発的に思ってくれて、言われなくてもこまめに消毒をしてくれているのをみて経営者として何か報いたいと思って手当を出したりして、それがまたスタッフの自発的な動きにつながって…というようにポジティブな考え方は連鎖していくものです。とうか、そうだと信じるように否定的な考え方をしないように、これまた努力しています。

 

実習の最初から最後まで、というか、今までの自分の人生も自分ではいつでも本当のことを言っているつもりですが、昔は『そう言う自分を誰かに認めて欲しい』と思っていたのが、『そんな自分で良いんだ!伝わる人に伝われば良い。そんな自分でいつづけよう』と考え方を変えるように努力を続けています。

 

私自身も先輩ドクターから教わって初めて良い人と思われたかったことを自覚しました。

 

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弁護士になりたかった…

司法試験を受けていたことは医学部在学中は秘密にしていましたし、実は在学中も受けていたことなどもその後医者になってからもほとんど言ってません。受からなかった=失敗したと自分が思っている=自分の中のコンプレックスとなっていたからです。あと少しで合格という年もありましたが、当時はこんなに努力しているのだから自分は運がなかっただけだと自分を納得させるのに必死でしたが、結果を出せる人は当然努力をしていて、もし努力をしていなくても結果が出せる実力があるのであれば努力をしていても受からなかった自分単に実力不足だっただけです。司法浪人をしていた時間が意味がない時間だった、『恥ずかしい過去』だったと考えていました。司法浪人中は母親から仕送りをしてもらってなんの成果も出せずに時間が経過していたので、『穀潰し』だと思ったり、『生きている価値がない』と思っていて、生きていること自体も恥ずかしいと思って最初は気を使って連絡してくれていた大学の同級生とも連絡を取ることができなくなってしまいました。その後医学部に入学できたことでなんとか立ち直っています。

 

今になって、契約書について自分で確認したり、法的におかしいんじゃないかと思えたりする点で、無駄な時間ではなかったと思えるようになり、学会でも商取引や労働法についての話をする機会を作ったりして自分で『無駄ではなかった時間』と思うように努力しています。同じうまく結果を出せなかったことがあってもそれを『恥ずかしい過去』ととらえるか『有用な時間だった』ととらえるかは本人次第です。

 

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超ゲーマー!

オンラインゲームのアイテム販売についてはウルティマオンラインというゲームにどハマりしていて、レベル上げやアイテム集めのコツを掴んでいましたが、リアルマネートレードという実際のお金でアイテムを買ったり売ったりする人がいて、なぜか直接アイテムを現金で買うよりもゲーム内のお金を現金で買ってアイテムに交換する方が手間賃が含まれているのか5倍程度の差額がありました。そこに目をつけて24時間対応をしていたこともありますが、完全に廃人生活でした。『ゲーマー』ということがなんとなくネガティブだと自分で思っていましたが、最近は『ゲーマー』であることがエコー検査で他の先生よりも早く手技ができるようになったり、コツを掴むのがうまいとよく言われるため、ゲーマーだった(今も実はゲーマーなんですが…)ことが『恥ずかしい過去』ではなく、『コツを掴むのがうまくなるのに役立っている過去』と思っています。

 

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他にも医学生の時にテレビのレポーターのバイトをしていたと言えばなかなか経験できるものではないのですが、実際には3回くらいで面白いことを言えないのと滑舌が悪いのでクビになってます。当時はクビになったことが『恥ずかしい過去』でテレビに出ていたことを知っている同級生にクビになったことは言えませんでした。

最後にレポーターの仕事で一緒だったきれいな女子アナの人に

「ベストな状態で仕事が来ることはないよ!仕事が来た時の状態でベストを尽くすのがプロだから!!」

と教えてもらったことが、今でも大きい収穫でしたし、話のネタにもなるので最近はたまにこの話はします。これも『恥ずかしい過去』ではなく、『自分にとって意味があった過去』と思えるようになっています。

 

 

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産婦人科の研修中に髪の毛が茶髪だったため、「研修を受けたいなら丸坊主にするくらいしてこいよ」という挑発があり、その挑発に乗ってみようと半休をとってその日のうちに丸坊主になって帰ってきたら「マジかよ。変なことすんなよ。」と結局その産婦人科の先生含めてきちんと産婦人科研修をしてもらえなかった初期研修中の苦い経験があります。外見だけで判断すんなよ!人は中身なんだよ!!真剣に思っていましたが、今思えば真面目ではないと思われるような外見をわざわざ選択している自分の方が間違っていて、外見で判断する先生には真面目と判断される外見で研修をしていたら充実した研修を送れていたのかもしれません。自分側が変われれば良かったと思います。

これも当時は内緒にしていたエピソードですが、最近は話のネタとして、自虐的に使えるのでやっぱり『恥ずかしい過去』ではなくて、『使える過去』だと思うように努力しています。過去は変えられません

 

後に大嫌いになった産婦人科診療について有名病院でとても丁寧に教えてくれる同期の先生と女性の上級医の先生のおかげでやっぱり重要だし奥が深い科だと思い直せるようになり、近くの産婦人科開業医の先生のところで産婦人科として外来を任せてもらえるようになっています。

 

さらに家庭医として開業する時に子宮頸癌検診を受託する医療機関として市や医師会に事前に確認して施設基準などをクリアした状態で、事前には問題ないと言われていたので改装工事を開始した時に、近くの産婦人科の先生の圧力で受託機関から外されてしまった事件を経験しています。その圧力をかけてきた先生には事前に挨拶に行っていて、その時はぜひ一緒に産婦人科医療を支えましょう!お願いします!!と言っていたにも関わらずまさにその先生が圧力をかけて来るなんて!!と悔しくて悔しくてたまりませんでした。全体ではうん千万円、婦人科診察室にはうん百万円もかけて改装工事している途中に圧力がかかり、改装業者さんもかわいそうに思ってくれて追加費用なしで院長室に変更することも可能ですよと提案してくれていました。

 

その時にいつも何度も何度もお世話になっている先輩ドクターに

「まっちゃんはさぁ、高級外車とか興味ないじゃん。世の中のドクターはベンツに乗ったりしてるでしょ?ベンツ一台買ったと思って趣味だと思ってやりなよ。嫌なことばかり考えてると人生つまらないでしょ?まぁ、ベンツみたいに産婦人科診察台を買ったのが趣味ですって言ったら変態と思われるから言葉には気をつけてねw」

と明るく励まされました。

 

こんな風に励ましてくれるドクターを実感できたという経験はなかなかできなくないですか?すごく悔しいと思ったけれど、その分励ましてくれたことがすごく嬉しかったですし、励ましてくれる先輩ドクターがいてくれることもありがたかったです。

 

それ以来、自分がやりたいことをやらないと開業した意味がないなと思えるようになり、多少損してでも興味があった内容ややりたかったことを取り入れることができるようになりました。例えば、産婦人科として勤務していた時にヒゲ脱毛をしてもらってとても感激したことを思い出し、家庭医は美容整形に手を出してはいけないとか美容整形はお金儲け目的だという暗黙のネガティブなイメージに対して、趣味だと思って始めています。こだわりが強い方なので、どうせやるならとシミやシワにも対応できる高級な汎用機だったりします。相場も調べて格安にしてますが伝わる人に伝われば良いとこれも思っています。まぁ、大赤字ですが…w。

 

もう一回

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この内容って医学生の時に女子アナさんに教えてもらったことなんです。環境や周囲の人が『悪い』と考えてしまうと仕事の機会を失ったり、成長できなくなったりするし、そもそもストレスコーピングで述べた通り、

『変えられるのは自分だけ、自分の考え方だけ』

というのが原則で、結果として他の人の考え方などに影響を与えることができるとしても、変えられる部分を変えようとするのが正しい努力だと思います。

 

だから、私立大だとか浪人していたとかを『恥ずかしい過去』としてしまうのはもったいなくてそのオリジナルの過去を自分なりに『価値がある過去』と変えるように努力してみたらどうかと思うんです。2つ大学を出ているので私もめっちゃ浪人していることになるんですが、そのときの廃人のようなゲーマー生活や競馬で生活費の大半をすってしまった時の話やパチスロにハマって今でもお店に入ると閉店まで出られなくなってしまうことなどの経験が遠回りした分、他のドクターよりも強みがあると思ってます。たまに役に立ちそうな患者さんには正直にそんな過去の話をすることもあります。こんな過去でも『武器』になる場面は確かにありました。

 

自分の家は母子家庭で梨農家の貧乏な家庭で育ったことを『恥ずかしい過去』としてほとんど晒したことはなかったけれど、『恥ずかしい』と思っているのはやはり『自分自身』だったことに最近ではありますが、気がつきました。梨農家で育ったことを生かしてお盆過ぎには幸水の出荷が始まり9月になると豊水、その後に20世紀梨の出荷が始まることを知ってますし、そのことを外来で話すと農業に詳しいおじいちゃんと話が弾むこともあります。そんな『話のネタ』になる過去だったと思いますし、母子家庭でお金がなかったので、医学生の時の学費や生活費は全て奨学金と自分で稼いでいて国試前でも家庭教師を続けていましたが、自分でどうやって稼ぐかに非常に長けていると思いますし、多少の不況でもうまく生き残っていける自信があります。なんでも自分の『過去』は『武器』になると考え方を変えるように常に自分でも努力をしています。

コンプレックスで終わりにするのではなくて、コンプレックスになったその経験なり、感情が実は『価値がある経験』や『武器』に変わっていく要素があると思うんです。そのくらい深く意識をしている内容なんですから…。

 

そのためには『他人の評価』を気にしすぎるのではなくて、自分を確立して自分で自分を肯定することが重要なのだとえらい心理学者の先生が言ってます。私もそう思います。

 

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相手と同じ速度で語ることの重大性!

そして、最後に教えるってことは『ペーシング』が大事です。

興味がない人に一生懸命語っても響くことはないですが、最初の文章をみて、この最後の文章までたどり着いてくれたあなたであれば、きっと何かを得てもらえたんじゃないかと思います。

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そして、私の医学部の同級生であれば知っている通り、『サボりぐせがある医学生』だった私が最初に実習を先輩から頼まれた時は学生さんから何か聞かれたら答えるよくらいのスタンスだったのですが、思いの外事件が大きくなってしまって『うまくサボれよ!!』と心の中で思っていた反面、サボっていいですかと素直に聞いてくる医学生の純粋さに対して、その純粋さは人を動かすことがあるなぁと思ったのと、私が先輩ドクターに何回も何回も拾ってもらったように『誰かが本気でぶつからないとコンプレックスやストレスに潰されちゃうんじゃないか』と思ってその誰かになれるようにサボらせない代わりに毎日2-3時間くらいかけて解説スライドを作成していました。

 

当初の私の想定よりもはるかに難しい内容や幅広い分野、ストレスコーピングやキャリア形成にまで話が発展してしまったけれど、これは将来に迷ったり、不安になったり、ストレスがかかっている学生さんたちの純粋さや熱意に私が動かされたからだと思います。

 

医学生に限らず、コンプレックスに悩んでいる人はいるでしょう。コンプレックスがない人はいないと思います。先輩ドクターに言われた『嫌なことばかり考えてると人生つまらないでしょ?』と思いますし、誰かを批判したり攻撃して満足しようとするよりも、

どんなことにも良い面と悪い面があるので、良い面だけ強調していくクセをつける

のはどうでしょうか。

 

ここまで素直に読んでもらえたのであれば、この無名ドクターということに少しコンプレックスがあった私の壮大な戦略は成功したものと思います。有名無名よりも伝えたいことが伝わること『私のやりたいこと』だと思います。

 

 

家庭医の外来ってこんな感じで楽しいものです。

と言うか、病気ってこんなに色々あるんだなぁとかもっと知りたいないと言うようにポジティブに考えるクセをつけていかないと、辛いなぁ、いやだなぁというネガティブな感情に潰されてしまうので、今の環境で楽しいことを見つけたり良いことだけ注意しようとすることが最初の一歩です。

 

終わり

 

まとめ

  • コンプレックス『自分が失敗した時や失敗したと思った時』に形成される
  • 変えることができるのは自分自身の考え方だけ
  • 変えることができない環境や周りの人が悪いと考えても『自分の人生』は変わらないので自分の何かを変えて(環境を変えることも含めて)対応できないかと自分側の要因を考える
  • 人を攻撃したり否定したりしてストレスを人に押し付けてもやっぱり『自分の人生』は変わらない
  • 嫌なことばかり考えているのは『自分の人生』を浪費しているので『損』
  • 『失敗した』と思っている『恥ずかしい過去』は『失敗したのではなくて何か他に役に立つ過去』と考えを変えられないか努力してみる。失敗した過去なんてない!
  • コンプレックスになるくらいの過去はよく覚えている過去なので、考え方を変えられればきっと『あなたの武器』になるはず!
  • どんな物事も『良い面』と『悪い面』があるはずなので『良い面』だけを強調するようにクセをつけていく。
  • 気分が乗らなければ今までの自分の人生で『楽しかった』と思えることが必ずあるはずなのでそれを思い出したりやろうとしてみる
  • 結局、『自分の人生』なので、『他人』に否定されようとも楽しんだ者勝ち

 

 

 

P.S

そんなに他人を助けてあげたいとはこれっぽっちも思っていなかったんですよ…私。伸びていく先生は伸びていくし、落ちこぼれていく先生は自己責任だと思っていましたし、今でも半分くらいそう思っています。

でも、実習の話を振ってくれた先輩ドクターや実習に来てくれた学生さんのおかげで、自分が大きなコンプレックスを抱えていたんだなぁレクチャーをしている過程で自分自身が気がつき、伝えることで実習後に学生さんからとても丁寧な感謝を伝えるメールまでいただきました。イエローカードをもらったのに…。

そんなやりとりを通して、もっと自分が発言力があればポジティブな内容を伝えられることができるかもしれない、いや、チャレンジしないよりもチャレンジしてみようと思えるきっかけになっています。youtubeのチャンネル登録数は20人くらいですよ?恥ずかしい数字ですよ??普通に考えると…。でも、その『普通であること』って大事ですかね?目的は『伝えたいことが伝わること』なのだと自分自身が思うように、すぐに持ち上がってくる『承認欲求』と常に戦っています。何百万人も登録者数があったら『自慢』できますもんね?でもそれが目的ではないんです…と頑張って思っています。アフィリエイトで儲けるという目的であればそれも目標になりますが、まぁまぁ儲かっているので今の所大丈夫です!

そして、『純粋さと情熱』で、大人ぶっている私を動かしたり、大学自体の考え方(ZOOMでの研修は不十分ではないかと言う思い込みに対して、ZOOMでも十分学べる)を変えたり、そんなことができたのは苦労をしている今回の実習に来てくれた医学生さんの『実力』なんですよね。