医学生や医者ってモテモテなんじゃないの?っと思っている人のための記事〜2グループ目No.6
今日もいろんな質問が飛び交いました。
学生さん「BNPとNT-proBNPってどう違うんですか?病院だとBNPが多い気がしますけれど??」
私「よくみてるねー。クリニックでBNPを検査しないのはスピッツ(検査のために血をとる容器のこと)が通常の生化学検査とは別なので余計に血液を取らないといけないのと時間が経つと異常ではないという結果がきてしまうので、通常の生化学検査に追加ができるNT-prpBNPがよく使われているんだよねー。他に同じように検体の取り扱いで注意が必要なものを知ってる?」
うんうん、症例をベースに知識を広げていく勉強スタイルとして質問が多いのは良いことだねー!
学生さん「膀胱炎って…」
わたし(うんうん、前のグループもおんなじ質問あったよー!)
膀胱炎の症例、尿検査などの検査の説明について⬇︎
学生さん「うつ病のPHQ-2ってなんですか?」
私「気になる?いい感じで似たような患者さんが先週もいたんだよー。」
PHQ-2って?
学生さん「貧血の鑑別の考え方がわからないんですー。」
私「教科書に書いてあること全部を覚えようとするとわかんなくなるよね?まずは頻度が多い疾患についてだけでも覚えよう。」
私「余裕があれば追加でどんなのがあるかは医者になってから覚えても遅くないと思うよ。」(教育的配慮)
うんうん、なんかこちらが思っている以上にいい感じでいろんな分野の患者さんの話ができています。
次は肩の診察でした。
整形外科領域はマイナーと言われますが、真面目に対応しようとすると外来の大半の人は整形外科的な問題を抱えています。患者さんから相談がなければそんなに介入しない(患者さんが専門医である整形外科受診を希望していることも多いため)んですが、相談があればできるだけ自宅リハビリやストレッチ方法の指導も行なっています。
整形外科診察のポジションの話やインピンジメント症候群のスペシャルテストであるHawkinsなどの話、なぜインピンジメントの確認が必要なのかの理由などの説明。
私「同じ理由で大腿骨の転子部骨折と頸部骨折は治療方針が異なるんだけど、わかるかな?」(教育的な質問)
学生さん「インピンジメントの確認が関節内と関節外の障害の違いならどっちかが関節内でどっちかが関節外の障害ってことですか?」
私「そうそう!頸部骨折だと関節内骨折なので自然に治らないだろうと全部とっかえてしまう人工骨頭置換術になるのに対して転子部骨折は関節外なので治るだろうと考えてCHSとかPFNAとかγネイルで固定するって聞いたことがない?Garden分類とかEVANS分類とかでその例外も考えていくけれど。
そうやって自分なりに似ているとか関連づけて理解していくとその関連自体が間違ってても覚えることはできるでしょ?」(ちょっと話が脱線しすぎ)
学生さん「なんとなくわかりました。」
整形外科領域は私が初期研修医の時に救急外来で大腿骨骨折を見事に3連続見逃してしまったという大失態を経験した苦い経験(翌日すぐに上級医によって対応してもらって大事に至っていないです。今考えると甘すぎました。)とそれを時間をかけて丁寧にフィードバックしてくれて温かく見守ってくれた整形外科の上級医の先生のおかげで整形外科の先生は『単なる大工さん』と勘違いしていた私にこんなに奥深い領域なんだと理解させてくれました。整形外科は3週間だけローテーションする予定だったのが、楽しすぎて12週間まで延長して研修させてもらいました。こんなに丁寧に指導してもらったことはなかったので嬉しくて、実は整形外科の入局も考えていたのに、もともと目指していた家庭医を目指すべきだと諭してくれたのは熱心に指導してくれた整形外科の先生でした。
幅広い分野で質問が飛び交い、なんかこの2グループ目は勉強熱心なんじゃない?と思いつつも、質問が難しすぎる(初期研修医や専攻医レベル)ことも多くて覚えきれる??と逆に心配になりました…。
そして前回のグループ同様総合診療医・家庭医療学特有の患者さんもちらほら経験してもらうことができました…
続く