脳梗塞後に認知症になる?
今回は認知症の中で2番目に多い脳血管性認知症についてのお話しです。
脳梗塞などの脳血管障害、高血圧、糖尿病などが原因で生じる認知症で、まだら認知症と呼ばれる症状が特徴的です。
よくあるのは覚えられないがちゃんと話せる(医学的には記名力が低下するが判断力が保たれていると言います)状態で、
例えば…
私たち医者のような専門家の場合はその専門知識は正常で医者としては働けるが要領が悪くなるような状態(医学的には遂行機能が低下するが専門知識が正常の状態)という疲れた医者のような症状になるんです!
そして急に泣き崩れてしまう(医学的には情動失禁と言います)ことも見られます。
脳血管性パーキンソニズムと呼ばれる局所の神経症状もあります(症状は様々)。
診断はNISDS-AIRENという基準1)があり、
①認知症がある
②脳血管障害がある(病歴、神経学的診察、画像検査で証明)
③(a)認知症の発言が脳血管障害後の3ヶ月以内に起こる(b)認知機能が急激に低下、あるいは動揺性ないし段階状に悪化
を満たす場合で
分類としては
と分けます。
病気は初期は物忘れなどは軽く、感情失禁が見られますが、脳卒中を繰り返したり、アルツハイマー型認知症を合併したりして、最後は記憶のほとんどが失われてしまうこともあります。飲み込みが悪くなる(嚥下障害)ことも多く、誤嚥性肺炎などで亡くなってしまうことも多いです。
1) Roman, G. C., et al. "Diagnostic criteria for research studies: report of the NINDS-AIREN International Workshop." Neurology 43.43 (1993): 250.
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