風邪薬よりも蜂蜜の方が効果が高い?
今回は風邪薬の代わりに蜂蜜をなめてみると効果があるのでは?というお話です。
風邪薬や総合感冒薬と呼ばれるお薬は咳を止めるお薬、鼻水を抑えるお薬、痛みをとり、熱を下げるお薬、痰を出しやすくしたり切りやすくしたりするお薬が混ざっていて、これにカフェインなどを加えていたりします。
イギリスのオックスフォード大学医学部のHibatulla Abuelgasim先生たちがBMJと呼ばれる医学雑誌の中でトップ5に入る雑誌で『風邪薬よりも蜂蜜を取った方が子供だけではなく大人も咳が軽くなって頻度も減りました!』と発表されました。
それ以前は子供に対してコクランレビューという医学の世界で行われていることが正しいのか正しくないのかを検証する国際的団体の2018年の発表で、治療しない場合、お薬っぽく見せた別のものを飲ませた場合(プラセボと言います)、蜂蜜入りのシロップを飲ませた場合、市販の咳止めを飲ませた場合を比較してみると蜂蜜はデキストロメトルファン(メジコン®)という咳止めと同じ効果がありそうでした。最大3日間蜂蜜を取るとプラセボやサルブタモールという気管支拡張薬を使う場合よりも咳の症状を和らげるのに効果的そうでした。
ちなみに、医者が『〜そう』と言いたがるのは、医療統計の世界で正確に言おうとすると有意差というのがあると違いがあると言い切れるので『〜です』と言い切りますが、有意差がついていないがその傾向がある場合に『〜そう』と間違ったことは言ってないぞ!と正確に伝えようとしてしまうからです。細かいこだわりです…。
コクランレビューの内容はだいたい医者の世界では『正しい内容』と考えます。その他の雑誌などでは「本当?なんかズルしてない?」と考えることもあります。
さて、本題にもどると、大人に関しては蜂蜜はどうなんだろーねー、効いたらいいよねーと医者同士で話すことはありましたがBMJという権威のある雑誌で発表された内容だと、「本物っぽいよね!」と考えやすいです。あとから覆ることもあるので、その当時の医学の世界で考えられている正しい内容だということは注意です。
結論的にはそもそも風邪によく効く風邪薬はないです。それでも症状が軽くなったり早めに良くなったり、楽な気分になることから風邪薬が処方されています。その風邪薬と蜂蜜は同等な効果はあるだろうというのが結論で、糖尿病などなければ食べ物だし取りすぎなければ良いんじゃないかな?と思います。もともと小児で言われていたのは寝る前のスプーン1杯の蜂蜜(厳密にはそば蜜が最初だったみたいです)をお湯に溶かしたりして飲ませると効果があったという報告から始まっています。
実際にどうやって蜂蜜をとるかについては今回のBMJでは明らかになっていませんが、スプーン1杯分をそのまま食べきるか、あるいは紅茶などに混ぜて飲むことで良いと考えられています。
ただし、小児の患者さんに対して注意しないといけないのは1歳未満だとボツリヌス菌という菌によるボツリヌス症のリスクがあるので蜂蜜を食べさせることは禁忌(あげてはダメです)となっています。
お薬を飲む前に試してみるのはどうでしょうか?
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