塗り薬はどのくらい塗れば良いの?
塗り薬の塗り方って知ってますか?
ステロイドの塗り薬は多すぎても少なすぎてもダメなんです!必要十分量を塗ることが重要で、FTU(Finger tip unit)と呼ばれる単位が一つの目安になっています。
FTUって?
人差し指の先端から第一関節までチューブから押し出された量(約0.5g)を両方のてのひらと同じ面積(体表面積の2%)を塗るとちょうど良い量になります。
1日2回(朝と入浴後)塗るのが原則です。
保湿剤とステロイド外用剤を併用する場合は最初に保湿剤、2番目にステロイド外用剤の順番で塗ります。
めんどくさいから
ステロイドと他の外用剤を混ぜ合わせたら?
と考えがちですが、ステロイドを他の塗り薬と混ぜ合わせると思ったよりも効果が弱くならない場合や、実は効果が強くなってしまう場合もあります。
具体的にはアンテベート軟膏®というステロイドの軟膏をワセリンと混ぜあわせて1,024倍に希釈してみても効果は1/16程度にしか弱くなりません。
逆に、リドメックス®というステロイドとヒルドイドソフト軟膏®という保湿剤を混ぜ合わせると約2.1倍、パンタロンソフト®という尿素配合の保湿剤と混ぜ合わせると約4.5倍にもなってしまいます1)。
塗り薬を混ぜ合わせることは実は簡単ではなく、混ぜ合わせた時の効果がどのように変化するのかは一つ一つの組み合わせを調べなければわからないのです。
さらに、実は軟膏なのかクリームなのかローションなのか、水性なのか油性なのか、ステロイドのランクはどうなのか、塗る場所でも吸収率が異なるのでどこに塗るのかなどなど細かく考えてから塗り薬を処方しているので、皮膚のトラブルはきちんと診察を受けてから症状にあったお薬をもらうのがお勧めです。
副作用が怖いという方が多いですが、有名な緑内障はまぶたに塗った場合に5.6%で、その他の部位に塗っても無視できる程度で、ミディアム程度(ステロイド外用剤の強さは5段階あり、その3番目)までのステロイドには副作用がないという報告が多数です。他は酒さ様皮膚炎と呼ばれる酔っ払いの皮膚みたいな状態になることがありますが、中止すれば一旦悪化したように見えますが、使用した期間の1.5〜2倍たつと自然に良くなります。
ステロイドの飲み薬の副作用は塗り薬とは別で色々とありますが、塗り薬とは別物です。
1)大谷道輝. "ステロイド軟膏剤の混合による臨床効果と副作用への影響の評価." 医療薬学 29.1 (2003): 1-10.
2)勝島晴美. "副腎皮質ステロイド剤の皮膚外用によるステロイド緑内障の発生頻度." 日眼会誌 99 (1995): 235.
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