膀胱炎を繰り返す女性に腫瘍??
膀胱炎を繰り返している女性にみられる腫瘍って知ってますか?
今日はそんなお話です。
まず前提のお話として皮膚って刺激があると肥大化したり、硬くなったりします。刺激には実際にものが触れる刺激や感染症などで炎症と呼ばれる状態でも刺激になります。空手をやっている人の手の拳が硬くなるのもその類です。
膀胱炎を繰り返している女性で、
「尿に血がよく混じるんです。」
と言われると、まず医者として心配なものは膀胱や腎臓などの癌がないのかどうかですが、頻度的に多いものは膀胱炎や尿道炎です。痛みがある方が尿道炎など外に近い部分からの出血(問題がない)を考えますが、痛くないと言われるとちょっと心配です。
今回は尿に血が混じっていて、尿道がムズムズするんですとのこと。半年間で3回目の訴えでした。あの病気かな?と思って診察すると
『尿道カルンクル』
という良性の腫瘍でした。
医学生時代は泌尿器科はマイナー科と呼ばれて泌尿器科の病気についてはあんまり深く教えてもらえません。あんまり知らないので興味がなかったのも事実です。初期研修医になっても泌尿器科をローテーションしなければ知らない病気は多いものです。でも、外来では意外と遭遇します。内科などをメジャー科というのに対して、泌尿器科、耳鼻科、整形外科などがマイナー科と呼ばれていますが、実際の臨床では全然マイナーではありません。自分から診察中に見つけようとするかどうかで実は色々隠れています。
尿道カルンクルのような病気は知っているかどうかで診断ができるかどうか、治療などの対応が可能かどうかが決まります。
大きいものや改善が乏しいものは泌尿器科の先生にお願いしますが、小さいものの場合、まず、ティッシュや生理用品などを使いっぱなしで蒸れるような状態になっていないかどうか、便をしたあとにお尻を拭くときに後ろから前にしていないかどうかなどの生活指導を行って、ステロイド外用剤で縮小しないかどうかを試してみます。
他にも医者もよく間違える知っているかどうかの爪の病気がありますが、次の機会に…。