family-doctor-shin’s blog

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医学生や医者ってモテモテなんじゃないの?っと思っている人のための記事No.1

病気についてのお話と少し外れてしまいますが、病気の話に興味を持ってくれる人は少なそうですし、ちょっと趣向を変えたお話です。

 

医学生や医者の現実ってこんなものなのだという話をしばらくいたします。 

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現実を見る!

 

そもそも、私のようなパソコンなど新しいテクノロジーに弱い中堅ドクターがブログやツイッター(登録したものの実はまだ使い方がよくわかりませんが…)、youtubeの動画作成と新しいことにチャレンジしてみようと思ったきっかけとなった医学生の実習受け入れの事件がありました。受け入れてなければ、情報を発信しようという気になっていないかもしれません。どこかで同じように悩んでいる医学生や初期研修医、またスペックが高いと言われる職業の『医者』の現実ってこんなもんだという内容を興味がある人に届いたら良いなと思います。

実在する学生さんに迷惑がかからないように詳細はぼかしつつも実際の医学生実習で行った内容をベースにしたあくまでフィクションです。

 

会社経営者や部長クラスの方たちで『最近の若い人は…』とついつい思ってしまう方

医学生で将来が真っ暗で悲観的な気分がする方

初期研修医で将来に迷っている方

中堅くらいの医者で、新しいことにチャレンジしなくなってしまった方

中高生で『医者になりたい』と思っている方

野次馬的に『医者ってモテモテ・ウハウハなんでしょ?』と思っている方

 

 あたりには楽しめるような内容だと思います。これに当てはまらない人には単なるファミリードクターしんの長ったらしい話に過ぎないので楽しくないかもしれません。

 

 

 

医学生になればモテモテなんじゃないの?

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医学生や医者はモテモテ!!
最初に…

医学生にはよくあることですが、中学生や高校生時代に周囲の楽しそうな部活に青春を捧げたり、遊んでいたりする人を横目に、医学部に入学できれば楽しい毎日が待っているかと思って、我慢して勉強をしてやっと医学部医学科に入学した人が多いと思います。もちろん、ずば抜けて賢くて遊んでいても医学部に入学する人もいるのも事実で、上には上がいる世界です。

そして、医学部に入ると最初は部活の勧誘などがあり、今まで我慢してきた『楽しそうな部活』に参加してのめり込んでしまう人、高校生までの勉強とは質も量も変わってしまってついていけるかどうか不安になっている人、ただひたすら勉強にのめり込んでいる医学生と別れていると思います。要領が良い学生さんは部活で友達を作って情報収集をしてうまくテストをこなして充実した毎日を送ったりする学生さんもいたり、部活にも入らずになんとなく孤立してしまう学生さんもいたり、ボランティアや海外へいくなどアグレッシブな学生さんもいたり。

でも中高生で部活動などをやってこないと、やっぱり今は勉強しようと思って医者になったら楽しい毎日が待ってるからと勉強ばかりの毎日を送る人もいますよね。医学生になっても思っているほど楽しめない。

 

実に様々だと思いますが、医学生が共通して思っているのは

こんなに医学部の勉強って大変なの?
もっと楽できるんじゃないの??
モテモテでウハウハな毎日が待ってるんじゃなかったの?

と思っていませんでしたか?

 

要領がよく、楽しい医学生生活をおくれた人は良いですが、医学生になっても高校生までと同じようにただひたすら勉強しかしない場合は、医者になったらモテモテでウハウハな毎日が待っているに違いない!と辛い毎日を送っていませんか?そのうち、なんでこんなに勉強しないといけないんだろうと迷う学生さんもでてきます。

 

医師国家試験は9割弱の学生さんが通過するので、よほどサボっていたり、周りのクラスメートと情報交換をしていなかったり、テストを落としたりしなければ晴れて『お医者さん』です。 

 

 

お医者さんになったらモテモテなんじゃないの?

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先が見えない道!

 お医者さんになったら楽しい毎日が待っているかと思うと…、医学生の時よりもさらに広い範囲の勉強をしなければいけなくなるし、ベテランの看護師さんから「先生、指示をください!」と学生時代に習ったこともない病棟指示を出さないといけないし、「先生、急変したのできてください」と何をしたら良いのかよくわからないのに病棟に呼ばれることもあったり、いつになったら楽しい毎日が待ってるの???と言うのが現実です。

 

医者になってから長期間の休みをとるなんて夢のまた夢で、働き方改革と言われていても実際には年に1回連続して1週間の休みを取れたらとってもゆとり教育病院だと思われたりします。『夏休み』を冬にとることも多いです。夜勤で眠れなくても翌日通常勤務のところがほとんどです。帰って良いと言われても仕事がたまり過ぎて帰ることもできません。

 

ここまでの話は現実の話ですが、かと言って辛いかと言うとそうでもありません。

拘束時間が長いことは多いですが、仕事自体は慣れれば楽しいことが多いです。逆に言うと、慣れるまでが大変なのも事実です!

  

初期研修医の現実 

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研修医の現実はストレスフル!

医者になってから最初の2年間を初期研修医、あるいは単純に研修医と言いますが、研修開始時に16%程度が抑うつ状態(気分が落ち込んでしまったり、やる気がなくなってしまったりする状態)にあり、研修開始後に30.5〜35.8%にまで多くなります。また、研修医になってから19.6〜25.2%が新たに抑うつ状態になる1)と言われています。一般的にうつ病は人口全体の6%程度と言われています。

実に4〜5人に1人がそれまで経験していなかった抑うつ状態を経験すると言われています。実際に国立大学の学生631万8349人を対象とした自殺者についての自殺率は医学部を含む6年生大学が10万人あたり男性23人、女性21人で特に医学部女性の自殺率が他の集団よりも顕著に高いことが特徴です。そして、この統計自体が有名であることから、医学生の間では医者になると過労死するのではないか、生涯勉強をするしかないのではないか、楽しい人生なんてないのではないかというネガティブな噂が広がることも多いです。

『医者』という職業は華やかに見えるかもしれませんが、医学部入学までの非常に高いハードルを超えても医学生をまっとうすることにストレスがあり、その後の初期研修医では右も左もわからない状態でも『医者』として容赦のない看護師さんからの指示待ちや患者さんからの質問、さらには医者が最終責任を負う仕組みの中でさらにストレスがかかり、研修を終了する前に挫折してしまう医学生・医者もいるのが事実です。

 

 

でもでも、初期研修を終了したらモテモテなんじゃないの?

初期研修を無事に終了して専門医を取得する専攻医(後期研修医)の間も常に勉強はしなければいけないし、時間的な余裕も全然ありません。そんな医者という職業から逃れるために初期研修終了後に遅れてモラトリアムを満喫するために海外に旅立ってしまったり、なぜか街づくりをしようと思ってしまったり、違う道を歩む人も出てきます。

 

医者を続けるためには

医者同士で『できない先生』と思われないために最新の医学の勉強をしたり、学会で名前を売るために発表したり、論文発表したり…、

看護師さんや理学療法士さん他の職種の人から『使えない先生』と思われないために病棟指示を工夫したり、FIMやSIASなどの理学療法士さん特有の表現を理解するようにやっぱり医学生時代にい習わない内容の勉強をしたり…、

『ヤブ医者』と思われないように患者さんが雑誌を切り抜いて持ってきてこの薬は飲んではいけない!と書いてあるキードラック(病気の治療をする上でとても重要な薬)をなんとか説明して使えるように試みたり、でもやっぱり患者さんの思い込みが強いと流されてしまって自分が出したくない薬を出してしまったり…。

うまく治療薬を処方できない状態の時に大きい病院の初期研修や専攻医の先生から『もっときちんとみてもらわないと脳卒中とか多くなるでしょ?困るんですよねー』と言われて、心の中でわかってますよー、薬を飲んでもらうまでにどれだけ苦労するか知ってます??と言いたいのをぐっとこらえて『おっしゃる通りです』と答える開業医の先生がいたり…

 

医学生になれば…、研修医になれば…、一人前の医者になれば…、と現在の状況に満足できていないのであれば、どこまでもイバラの道なんです。

残念ながら『医者という職業のみ』でモテモテ・ウハウハになるのではなくて、もともとカッコいい先生や稼げてそれなりにお金がある先生がモテるのであって、医学生や初期研修医の時に楽しめないのであれば、その後の医者人生も大変苦労すると思います。

 
ではどうやったら楽しめるの?

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明るい未来が待ってるよ!

 そんなことを伝えたい、伝えられたら良いなと思って医学生の実習を受け入れました。明日以降はそんな葛藤の真っ只中にいる医学生の実習の話をしながら、医学生だけではなく、私のような指導医自身も医者という職業を楽しませてもらっていることを体験できたので、実習前の事件から話をしていきます。

 

 

1)前野哲博, et al. "新臨床研修制度における研修医のストレス." 医学教育 39.3 (2008): 175-182.

 

 

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