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血圧を下げるDASH食について

血圧を下げる食事についてはDASH食という食事が有名です。

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いただきます!

 

これはアメリカのNHLBIという保健福祉省、日本の厚労省の一種みたいなところが考案した血圧を下げることを目標とした健康的な食事で、果物、野菜、全粒粉、低脂肪の食品、豆類、ナッツ、種、脂肪の少ない赤身の肉を推奨し、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維が豊富な食事のことです。

 

飽和脂肪酸コレステロールが少なく、心筋梗塞脳卒中を減らすことがわかっています。

 

1993年から1997年にDASH collaborative Research(1997年)という研究が実施され、塩分量に関係なく、DASH食にしてもらうことで2週間後から血圧がさがる効果があるということでした。

 

次に1997年から1999年にSodium and the DASH diet(2001年)という研究が実施され、DASH食に塩分制限を加えると塩分を減らせば減らすほど血圧が下がるということがわかりました。

 

DASH食はあくまで血圧を下げる目的では良い食事だと思いますが、腎臓が悪い方がカリウムをたくさんとってしまうのは腎臓に負担がかかってしまうのでお勧めできません。誰にとっても良い食事というものは存在せず、その人その人の持病などを考慮して良い食事、悪い食事が相対的に決まるので、必ずしもDASH食が全ての人にとって最高の食事ということまでは意味していません。

 

 

 

さて、DASH食のポイントは5つです。

  1. 適正体重、BMIで25未満を維持するために総カロリーを設定すること
  2. 脂肪摂取を減らすこと
  3. 摂取する脂肪を飽和脂肪酸から不飽和脂肪酸にすること
  4. 塩分の摂取量を減らして、カリウムマグネシウムを野菜と果物から積極的に摂取すること
  5. 食物繊維を積極的に摂取すること

です。

 

適正体重について

 年齢と性別によって設定カロリーが異なりますが、女性は1,600-2400kcal、男性は2,000-3,000kcalの間です。目安なのでそこまでこだわらなくても良いですし、最近の栄養学的にはカロリーはそれほど重要ではないと言われています。

 

脂肪摂取を減らすこと

 脂肪はカロリーが高いので、カロリーを減らす意味でも摂取量を減らします。ただし、3つ目に述べますが、流行りのEPADHA、ω3脂肪酸などの不飽和脂肪酸は摂取した方が良いと言われています。

 

摂取する脂肪を飽和脂肪酸から不飽和脂肪酸にすること

 飽和脂肪酸は加工食品や動物性のものに多いです。具体的には動物肉の脂身、バター、チーズ、クリーム、卵黄、ラード、パーム油などを減らします。トランス脂肪酸は先進国では販売禁止をしている国もあるくらいで、代表例はマーガリンや小麦粉加工食品などで、これらも減らしましょう。植物油であるオリーブ油などは不飽和脂肪酸なので摂取を推奨します。摂取した方がよい油と摂取しない方がよい油があるんですね。

高温にすることで不飽和脂肪酸は失われやすいため、サチャインチオイルなど高温に強い油が健康に良いと有名です。

 

塩分の摂取量を減らして、カリウムマグネシウムを野菜と果物から積極的に摂取すること

 塩分摂取量は1日6g未満が目標です。日本の平均的な食事は塩分が1日13g程度と言われていて、アメリカが10から11g程度なのと比べると高いです。日本食って健康なんだというイメージがあり、特に味噌汁は健康に良さそうですが、血圧の観点からするととりすぎに注意です。味噌汁は1杯1.2〜2.4gくらいの塩分があり、薄味を使っていてもせいぜい2〜3割引程度で、結局塩分を多くとってしまうことが多いです。少なくても血圧が高い人がスープ類を多く取ることはお勧めしません。

 

 塩分の量は食べ物の後ろ側にNa量と書いてあることが多いですが、これを2.5倍すると塩分量になります。最近は塩分として記載してある食品も多いです。DASH食的には通常量はNaで1日2,300mg未満、塩分に換算すると5.75g未満、減塩は1日1500mg未満、塩分に換算すると3.75g未満を目安としています。漬物などの明らかに塩分を含む食べ物を減らすことが重要ですが、さらに加工食品を減らすことで大幅に減塩を達成できます。

 

食物繊維を積極的に摂取すること

DASH食の研究自体には詳細はありません。日本の食事摂取基準2020年版だと年齢に応じた推奨量が決められ、成人男性は概ね20g程度、女性は18g程度で穀類、芋類、野菜類、豆類、キノコ類、海藻類で多いですが、とりすぎると腹痛の原因にもなりますのでご注意ください。

 

性別

男性

女性

年齢等

目標量

目標量

0~5(月)

6~11(月)

1~2(歳)

3~5(歳)

8以上

8以上

6~7(歳)

10以上

10以上

8~9(歳)

11以上

11以上

10~11(歳)

13以上

13以上

12~14(歳)

17以上

17以上

15~17(歳)

19以上

18以上

18~29(歳)

21以上

18以上

30~49(歳)

21以上

18以上

50~64(歳)

21以上

18以上

65~74(歳)

20以上

17以上

75以上(歳)

20以上

17以上

妊婦

 

18以上

授乳婦

18以上

 

まとめるとDASH食は5つのポイントがあり、うまく摂取すると2週間程度で血圧が低下する効果が認められる食事です。全ての人に良い食事ではありませんが、特に持病がない人にとっては望ましい食事と言えます。

 

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運動療法とDASH食についての動画による説明はこちら⇩